ネットワークビジネスに入会して、辞めた話1

今まで経営者を目指して頑張るとかどうとか日記に書いていましたが、あれはネットワークビジネスでした。

なんとなくそうではないかと思っていましたが、幸運にもネットワークビジネスであると確信を持つに至り、退会しました。

 

別に大金をだまし取られたり、なにかしら被害にあったわけではないですが、在籍し続けたらどうなるかはわかりませんでしたし、実際被害を受けた方もいる様です。

 

私自身は面白い経験ができたと思っているので、参考までに体験をだらだらと記したいと思います。

団体名だけ最初に書いておくと、「チーム株式会社」というところでした。

ネットワークビジネスといいましたが、厳密には異なるビジネスモデルではないかと思います。詳しくないので分かりません。

 

2018年、友人Sと屋台フェスに遊びに行ったときのこと。

そのへんで買ったものを食べながら設置されたステージで良く分からないご当地アイドルたちを眺めていたところ、女性2人に声を掛けられたのが始まりです。

 

我々をファンだと思って話しかけたというその2人とどういう話をしたのか覚えてませんが、なんやかんやでLINEを交換しました。その場ではそれで終わりで、どっちのが好みだった、みたいな話をして終わりました。

 

次に連絡があったのが、ハロウィンパーティーがあるから来ないかという連絡でした。一緒にいた友人はその前に一度1対1でお茶してたようでした。

逆ナンしてくるような人間が行くパーティーというのがどんなものか興味があった私は、乗り気ではない友人を誘って行ってみました。

一応、ダイ〇ーで買える範囲で仮装もしました。

バーを貸し切って催されていたパーティーには30人近い人がいるように見え、ガチめな仮装をしている人もいたりとかなり普通のパーティーでした。個人的には拍子抜けでした。

私も友人も人見知りなので、あまり輪に加わることもなく、楽しいとは思わないまま会場を後にしました。

 

その後、正月にあけおめの連絡が来ただけでしばらくは何もありませんでした。

 

4月か5月か、片方から連絡が来ました。R氏とします。

R氏に誘われ、立ち飲み屋で食事をしました。私の話に随分と共感してくれていて、お酒が入っていたこともありかなり話が弾んだと自分では思います。

仕事について悩んでいていることを話していると(この話題は確か向こうから聞いてきた)、勉強会があるから来てみないかと誘われました。

また、自己啓発本を読むかと聞かれ、読まないと答えると本を勧められました。ロバート・キヨサキというアメリカの富豪が書いた「金持ち父さん、貧乏父さん」という、割と有名な本のようでした。

 私は勧められるままにそのまま本を買い、帰路につきました。なかなか楽しいじゃないか、と満足気だったのを覚えています。

 

今にして思うと、共感するというのは相手の胸襟を開く手段として使っていて、最後はいい感じのところで切り上げるというのもよくできていたと思います。

 

平日夜、西中島のレンタルスペースで行われていた勉強会に参加した私はかなりの刺激を受けました。薬剤師や保険の営業マンなど、私より優秀と思われる人たちが何人もいて、みな熱気を纏っていました。参加者は20強人くらいで、参加費が1000円でした。

テーブルが6つか7つあり、テーブルごとに話すテーマが異なるので、毎回順に回っていくシステムのようでした。

最初のテーマは経済だったと思います。外界からのインプットというのを長らくしていなかった私にはとても新鮮でした。なるほど、と思うようなことに満ちていたと思います。

 

隔週で行われていたその勉強会に、私はその後もしばらく参加するのでした。

 

どのタイミングか忘れましたが、R氏の師匠という人物に紹介されました。40手前の太った男性でした。このコミュニティ(この時点では名前は出ていなかったと思う。出ていても気づけなかった)のボスで、経営者として成功しており、勉強会に参加している人たちはこの人物から経営者としてやっていく方法を師事しているようでした。

駅前にあるビルの最上階に住居兼オフィスを構える人物で、なんとなくすごい人なのかと緊張したのを覚えています。何か聞きたいことがあるか事前に聞かれていましたが、全てR氏が代弁し、それを聞いて師匠が答えるというように話が進み、正直何も頭に入りませんでした。質問に答えているのかもよくわからなかったし、何を言ってるかもいまひとつでした。

ただ、終わった後R氏はすごかったやろ等、とにかく師匠を褒めたたえ、言ってることが分からないのは当然、理解出来たら成功者になってるなどと話し、そういうものかと納得していました。

 

勉強会とは別に、キャッシュフローゲーム会というのもありました。

先のロバートキヨサキ氏の開発したボードゲームで、投資について楽しく学べるゲームというものでした。紹介された本にも出てきます。

これを2時間くらいかけてプレイしその後1時間くらいかけて感想をしシェアします。

そして交流会というのがあるのでそれに出席する人は出ます。キャッシュフローゲームは1000円で参加できますが、交流会は3000円ほど必要です。

交流会はボスの経営するカフェで行われ、30人はいたかと思います。狭い空間で大勢が騒ぐので隣にいる人間の声も満足に聞こえず、交流会に適した環境とはとても思えませんでした。おそらく、ボスの懐にお金を入れるようになっていたのでしょう。

交流会にはボスも来て、初参加や参加して日が浅い人間は紹介者に連れられてボスと話す機会が得られました。やっぱりなにを言っているのか、一つも覚えていません。正直なところ、初めて会ってから最後まで、この男のことをすごいと思ったことはありませんでした。下についてるメンバーの方がよほど魅力的な人間ばかりでした。一緒に仕事したことがないからと言われればそれまでですが。

 

こうして勉強会以外でも主要メンバーと交流を深めているうち、私は転居を決意するに至りました。このコミュニティに参加していれば人生が良くなる、自分を変えることができると本気で考えていました。残念ながら、この部分については間違っていないと今でも思っています。このコミュニティのメンバーはそれほどに魅力的な人物ばかりでした。

転居はいいが、問題は仕事です。通うとなると片道1時間半はかかります。朝に弱い私にはかなり厳しいです。どのみち今の仕事に満足いかなくなってきていた私は、意を決して退職することにしたのです。8月になろうかという頃でした。

 

この頃の私にとってはこのコミュニティに参加し、経営者として学ぶことが前提にあったので転職先は二の次でした。早々に転居先を決めてしまい、退職までに転居する段取りだけをどんどん進めていきました。

会社の先輩や友人達にもちらほら話をしましたが、怪しいからやめたほうがいい、大丈夫なのか、と心配の声が多かったですが、なんか大丈夫そうだよ、とあまり真剣には受け止めてなかったように思います。というより、メンバーの説得力と確信がもたらす訴求力の方が友人たちの言葉よりよほど強かったのでしょう。たとえ経営者になれなくても、メンバーを見ていると今より悪くなることはないという確信だけはありました。